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宇宙に存在する光の総量を測る

宇宙背景放射は、宇宙初期から現在までに天体から放たれ、宇宙空間に蓄積されてきた光の総体です。その明るさと波長ごとの分布を測定することで、個々の望遠鏡観測では捉えられない暗い天体も含め、宇宙全体でいつ、どれだけの天体が形成されたのかを調べることができます。

観測者から見た太陽系、天の川銀河、銀河系外の光の重なりを示す概念図
夜空には、太陽系の塵による黄道光、天の川銀河の星や塵の光、銀河系外から届く宇宙背景放射が重なっています。

既知の銀河だけでは説明できない光

これまでの観測では、近赤外線の宇宙背景放射が、確認されている銀河の光を積算した値よりも約2〜3倍明るいことが報告されています。この超過が実在する場合、現在の観測では個別に捉えられていない天体や、未知の発光過程が存在する可能性があります。

超過成分はどこから来るのか

起源の候補として、初代星を含む宇宙初期の天体と、比較的近い宇宙にある銀河ハロー内の淡い星の集団などが考えられています。これらは近赤外線では似た明るさを示す可能性がありますが、可視光域では異なる色やスペクトルを示すと予想されています。

なぜ可視光の多色観測なのか

VERTECSは、複数の可視光波長帯で宇宙背景放射を観測します。可視光から近赤外線にかけてのスペクトルを詳しく調べ、候補となるモデルと比較することで、超過成分が宇宙初期に由来するのか、より近い宇宙に由来するのかを識別します。

近赤外線で報告されている宇宙背景放射の超過と、VERTECSが観測する可視光波長帯の概念図。起源の候補によって可視光側のスペクトルが異なるため、超過成分の識別につながります。

宇宙から観測する理由

宇宙背景放射は非常に微弱で、地球大気の発光、太陽系の塵が散乱する黄道光、天の川銀河の星や塵の光などが観測を妨げます。大気の影響を受けない宇宙空間から広い範囲を観測し、異なる方向のデータを比較することで、前景光と宇宙背景放射を分離します。

VERTECSが目指す科学成果

VERTECSは、広視野光学系、迷光を抑えるバッフル、低暗電流CMOSセンサーを用いて、微弱で広がった宇宙背景放射を観測します。その起源を明らかにすることで、既知の銀河観測だけでは見えてこなかった天体形成史と、宇宙に存在する光の総量の解明を目指します。

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